こんにちは!
米国公認会計士のTravis(トラヴィス)です。
本日で、6月も終わりですね。2021年も、半分が過ぎました。
半期に一度の決算棚卸
多くの日本企業が3月決算ですので、3月と9月に大掛かりな棚卸を行います。
3月決算に次いで多いのが、12月決算。
昨今はIFRS(国際財務報告基準)を適用している会社も増え、12月決算も増えています。
IFRS適用企業が、言うほど増えていないのは、内緒です。
うちの会社も、暦年決算なので、本日は、棚卸でした。
扱っている商品や部品を1個ずつ、カウントしていきます。
会計帳簿にも、日々、記録しているのですが、どうしてもズレてしまいますので、実際は、どのくらい残っているのか、ひとつずつ、数えるのです。
使ったのに、記帳していなくて、実際には少なかったら、損失にします。
反対に、間違えて、多く記帳してしまっていたら、戻すため、収益が出ます。
粉飾決算(ふんしょくけっさん)
わざと、間違えた処理をして利益を出すことを、粉飾決算と言います。
例えば、実際には、売れてしまって商品在庫が無いのに、あることにします。
そうすると、実際には100万円のものを120万円で販売して、20万円の利益が出ているところ、120万円で売れたのはそのままに、元の100万円を計上せずに、まだ、手許に100万円の商品があることにします。
すると、120万円ー0=120万円の利益が出て、100万円の在庫が手許にあることになります。
実際に、どこを調べても100万円の在庫はありません。
嘘ですから。
これが、原始的な粉飾の手口の一例です。
会社ぐるみで、こうした粉飾を行う企業もあり、外部の第三者がチェックしないと、誰も、決算書なんて、信用できません。
そこで、公正な公認会計士が、チェックして、OK(適正)!と言うのです。
しかし、公認会計士が、嘘を言って、会社が潰れた例もあり、完璧ということはないのです。
米国のエンロンとアーサー・アンダーセン
アメリカの巨大エネルギー企業で、エンロンという会社がありました。
ここをチェック(監査)していたのは、公認会計士の集団たるアーサー・アンダーセンという巨大な監査法人でした。
エンロンのワン・フロア全てアーサー・アンダーセンが占めて監査する という大名行列状態で、何日も監査して、嘘をつき、エンロンは潰れました。
当時の、ジョージ・ブッシュ(父)は、激怒し、アーサー・アンダーセンは潰れました。
これを受けて、社内でも、細かくチェックしなければならないという面倒くさいSOX法が制定され、日本にもJ-SOXという形で、入り込み、迷惑千万な状況になっています。
日本の鐘紡と中央青山監査法人
日本でも、鐘紡が長年に渡って粉飾をしていました。
監査していたのは、日本でも有数の巨大監査法人、中央青山監査法人でした。
鐘紡は潰れて、今ある鐘紡は別モノです。
中央青山監査法人は、潰れて、無くなりました。
私の友人で、同法人で働いていた公認会計士は、地元に帰って税理士をしています。
会計士になった時から、数年したら、地元で税理士をやると言っていたので、いいタイミングだったようです。
日本では、弁護士、公認会計士の資格を取ると、税理士資格も取得できます。
なぜなら、弁護士業務や公認会計士業務の中で、時折、税理士業務を行う必要があり、税理士資格なしでこれを行うと、違法行為になってしまうためです。
棚卸作業
トヨタのような巨大製造企業でも、生産ラインを全て止めて、作りかけのクルマ(仕掛品)も、ネジ1本(部品)に至るまで、きちんとカウントします。
事前に入念な準備を行い、棚卸当日は、丸一日かけて、数えるのです。
すごく、先進的なイメージがある企業でも、こうした、泥臭い作業を行っています。
泥臭い作業を、きちんとこなすことで、粉飾や倒産を防げるのであれば、お安い御用です。
何事も、泥臭い作業の積み重ねです。
英語も、毎日の単語暗記と、英会話練習の積み重ねの成果です。
英語力のある人ほど、毎日の単語力強化や英語表現の増強、様々な発音の比較等々、地道な作業をしているものです。
話せる人を見て、その結果だけを、見ていては、本質には迫れないのです。
英語でなくとも、何かひとつでも、達成したことがあれば、この意味がわかるはずです。
そして、達成した、その先の景色が格別であることも、想像に難くないはずです。
コメント
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